イチゴの葉に表れる不調は様々な原因が考えられますが、イチゴの葉脈が黒い場合は、アザミウマやホコリダニなどの害虫被害が原因の1つとして挙げられます。今回は、イチゴの葉脈が黒い原因と対策について紹介します。
イチゴの葉脈が黒い原因
そもそも葉脈の役割とは?
葉脈とは、葉に見られる維管束の筋のことを言い、この管の中を水と養分が通っています。葉脈は人間で言えば血管のようなもので、光合成で作った養分が葉脈を通って植物全体に運ばれていると考えると分かりやすいと思います。
人間は高齢になると血管が衰えるということがありますが、これは植物でも同じで、老化した葉は葉脈が衰えて黒くなることがあります。ですから、イチゴの古い葉の葉脈が黒い場合は、葉の老化という自然な現象なので大きな問題ではありません。
また、肥料のカリ(K)が不足することで葉脈が黒くなることもありますが、家庭菜園で使われる肥料は、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)がバランスよく含まれているので、カリ(K)だけが欠乏することは考えにくいです。
イチゴの古い葉の葉脈が黒い原因は、老化によるものが多いですが、新しい葉にも関わらずイチゴの葉脈が黒い場合は、害虫被害の可能性が考えられます。
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アザミウマ被害の可能性
アザミウマとは、体長が0.5~2mmくらいの細長い小さな害虫で、イチゴに被害を与えるアザミウマと言えば、ミカンキイロアザミウマとヒラズハナアザミウマがよく知られています。
ミカンキイロアザミウマとヒラズハナアザミウマは、イチゴの雌しべに寄生し、雌しべの部分が黒くなったり、できた果実が茶色くなるのが特徴です。
それに加えて、チャノキイロアザミウマという種類もイチゴに被害を与えることがあり、チャノキイロアザミウマは雌しべではなく、葉に寄生する特徴があります。
植物の葉に寄生する害虫は、針のような器官を葉に差し込んで、養分を吸い上げると同時に唾液を流し込むので、植物の組織を破壊してしまいます。葉脈は養分が集中しているので、その部分からチャノキイロアザミウマが養分を吸い上げることで、イチゴの葉脈が黒くなってしまうのです。
その他には、チャノホコリダニも葉に寄生して、チャノキイロアザミウマと似たような被害を与えることが知られています。これらの害虫は、植物の葉の裏に寄生することが多いので、イチゴの葉脈が黒い時は、葉の裏に害虫が潜んでいないかを確認する必要があります。
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イチゴのアザミウマ対策
チャノキイロアザミウマは、春から夏にかけて活発になります。この時期にイチゴの葉脈が黒い場合は、チャノキイロアザミウマによる被害の可能性が考えられます。
大規模な商業農園ではアザミウマ類に効く農薬を散布することがありますが、小規模な家庭菜園では、わざわざ農薬を使うこともないので、物理的にチャノキイロアザミウマを取り除く程度で良いと思います。
チャノキイロアザミウマは、アザミウマ類の中でも小さい種類で、成虫が0.8㎜程度、幼虫が0.5㎜程度です。ですから、肉眼でギリギリ見えるくらいの大きさです。チャノキイロアザミウマは葉の裏に潜んでいるので、そこに水を強く吹きかけて、洗い流してしまうと良いでしょう。
それでも落とせないチャノキイロアザミウマは、セロハンテープを使って、葉の裏から直接取り除くと効果的です。チャノホコリダニの場合も、小規模な家庭菜園であらば、農薬を使わずに水やセロハンテープを使って物理的に取り除く方が安心です。
家庭菜園で使う農薬と言えば、「ロハピ」や「やさお酢」などが有名ですが、これらの農薬ではチャノキイロアザミウマには効果はありません。農薬を使いたい場合は、チャノキイロアザミウマに有効なものを使用しましょう。
アザミウマ類に有効で有機農産物に使用できる農薬
イチゴの苗
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