ビワの木は生育が良く地植えにすると大きくなり過ぎるという欠点はありますが、比較的病害虫に強い果樹なので、ほぼ放置でも果実を収穫することができます。
ただし、木の性質によっては実がすっぱいことがあったり、実を大きくするためには、摘蕾や摘果などの手間がかかります。今回は、ビワの実がすっぱい原因と、実を大きくする方法について紹介します。
ビワの実がすっぱい原因
ビワの実の成長を促すためには、十分な日照時間と開花・結実を促進するために必要な、リン酸(P)を多く含む肥料を与えることが重要です。
これらのことは、果実を甘くする要素の一部ではありですが、ビワの実がすっぱい時に考えられる原因は、その木の遺伝的な性質によるところが大きいです。そのため、すっぱい実がなりやすい性質の木を、甘い実がなる木にするのは、なかなか難しいものです。
ビワの実がすっぱい時に考えられるその他の原因は、単に収穫が早過ぎて、まだ実が熟していないということも考えられます。ビワの実は、緑の実が黄色くなり、その後オレンジ色になると完熟して皮が簡単に剥けるようになります。意外と多い間違いが、ビワの実が黄色い段階で収穫してしまい、実がすっぱいと勘違いしてしまうことです。
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家庭菜園のために庭に植える代表的なビワの品種は、「茂木」「田中」「長崎早生(暖地のみ栽培)」の3種類で、それぞれに実が熟す時期が異なります。中でも「田中」は酸味が強く、完熟直前まで酸味が残っているので、少しでも早く収穫してしまうと、すっぱい実で食べにくい。
3つの品種の中で最も熟期が早いのが「長崎早生」で、それから10日~2週間ほど遅れて「茂木」の熟期が訪れ、さらに10日ほど遅れて「田中」の熟期が来ます。ビワの収穫時期は地域によって異なりますが、概ね5月~6月頃になります。
ビワの実が完熟になるまでは、野鳥除けのために、実に袋がけをしておきます。使用する袋は新聞紙や封筒を代用して、ビワの実を覆っておきましょう。
ビワの実を大きくする方法
ビワの実が小さいと感じる場合は、まずは、ご自身が育てているビワの品種が大きな実を付ける大果品種なのか、それとも中くらいの実を付ける中果品種なのかを確認してみましょう。そもそも、「茂木」などの中果品種が、「田中」などの大果品種のように実を大きくするのは難しいです。
ビワの実を大きくする方法は、「摘蕾(てきらい)」と「摘果(てきか)」作業を行います。摘蕾とは、花や実の成長を促すために、不要な蕾を間引く作業のことを言います。摘蕾作業は、蕾が大きくなって蕾のまとまりがはっきりと分かるようになってから行います。
ビワの蕾は立ち上がった花穂に段になって密集して付きます。「田中」などの大果品種は花穂の下から2段目までの蕾を残し、「茂木」などの中果品種は花穂の下から4段目までを残して、その他の蕾は取り除いておきましょう。摘蕾作業を行わずに、今年たくさんの実を付けると、来年は実付きが悪くなることがあるので注意が必要です。
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摘果とは、果実の間引き作業のことを言います。ビワの実が膨らみ始めてから1週間ほど経つと、実が止まったところが分かるようになってきます。
「田中」など大果品種は1果房に1~2果残し、「茂木」などの中果品種は1果房に4~5果残して、他の実は取り除いてしまいましょう。こうすることで、育てたい実に栄養が集中するので、ビワの実を大きくすることができます。
ビワの木
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