「棕櫚竹(シュロチク)」と「観音竹(カンノンチク)」は、同じヤシ科の観葉植物で、非常によく似た植物です。
今回は、シュロチクとカンノンチクの違いと見分け方について紹介します。まずは、それぞれの特徴から確認していきましょう。
「棕櫚竹(シュロチク)」と「観音竹(カンノンチク)」の違い
シュロチクの特徴

棕櫚竹(シュロチク)
ヤシ科ラピス属に分類される植物。
中国南部原産。
比較的樹高が高い。(大きくなっても4m程度)
葉が細く長い。
葉の切り込みが多い。
斑入り品種(綾錦など)も存在する。
カンノンチクの特徴

観音竹(カンノンチク)
ヤシ科ラピス属に分類される植物。
野生種は発見されておらず、シュロチクから派生した園芸品種と考えられている。
比較的樹高が低い。(大きくなっても3m程度)
葉が太く短い。
葉の切り込みが少ない。
斑入り品種が豊富で、多く流通している。
シュロチクとカンノンチクは、どちらもヤシ科ラピス属に分類される植物です。ラピス属の「Rhapis」の語源は、ギリシャ語の「rhaphis」で「針」という意味があり、ラピス属の植物の葉が針のように尖っていることが由来になっています。また、ラピス属のことを和名でシュロ属と言ったり、カンノンチク属と言うこともあります。
なお、カンノンチクの分類については諸説あり、シュロチク(Rhapis excelsa)の園芸品種群として扱われることが多く、独立した種として認識されていない場合があります。
棕櫚竹(シュロチク)と観音竹(カンノンチク)は、いずれも名前に「竹」が使われていますが、分類学上は竹の仲間ではなく、「ヤシ」の仲間の植物です。シュロチクとカンノンチクは、見た目が竹に似ていることから名前に「竹」がつけられました。ちなみに、一般的な竹はイネ科に分類される植物です。
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シュロチクは中国南部原産の植物で、日本には江戸時代に渡来したと考えられています。シュロチクの名前は、棕櫚・椶櫚・棕梠のようにいくつかの表記があり、読み方もシュロやスロなどと言われていました。カンノンチクの名前の由来については諸説あり、一説には観音様の手のように葉が広がることから名付けられたとも言われています。
シュロチクとカンノンチクの違いは、樹高と葉の形状にあります。樹高はカンノンチクよりもシュロチクの方が高いのが特徴です。
シュロチクの葉は、葉の切り込みが多く、葉が細く長いのが特徴です。それに比べてカンノンチクの葉は、切れ込みが少なく、葉が太く短いという違いがあります。
「棕櫚竹(シュロチク)」と「観音竹(カンノンチク)」の見分け方
シュロチクとカンノンチクには、樹高の違いもありますが、成長途中のものを見分けることが難しいため、葉の形状を見て判断すると良いでしょう。
見分けるポイントとして、まず言えることは、シュロチクの葉はカンノンチクの葉と比べて、葉の切り込みが多いです。シュロチクとカンノンチクの両方を見比べることができる場面では、葉の切り込みの違いだけで見分けることができると思います。
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シュロチクとカンノンチクのどちらか一方だけしか見ることができない場合は、葉の太さで判断すると良いと思います。シュロチクの葉は、幅が狭く細長く伸びているのが特徴です。それに比べてカンノンチクの葉は、幅が広く短いという違いがあります。
両種とも斑入り品種が存在しますが、カンノンチクの方が斑入り品種のバリエーションが豊富で、市場での流通量も多いという特徴があります。ただし、シュロチクにも「綾錦」などの美しい斑入り品種があるため、斑の有無だけでは確実な判断はできません。やはり葉の形状を見て判断することが最も確実な方法でしょう。
シュロチク
カンノンチク
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