シクラメンとガーデンシクラメンでは耐寒性に違いがあり、それによって栽培方法が異なります。その他にもミニシクラメンと呼ばれる系統もあるので、今回はこれらの違いについて紹介します。
原種のシクラメンとガーデンシクラメンの違い
原種のシクラメンとガーデンシクラメンの大きな違いは、原種のシクラメンよりもガーデンシクラメンの方が耐寒性が高いということです。それに加えて、ガーデンシクラメンは連続開花性が高い品種なので、原種のシクラメンよりも開花時期が長いというメリットもあります。
シクラメンの原産地はトルコやパレスチナ、イスラエルなどで、17世紀に数種の野生種が西ヨーロッパに持ち込まれて、たくさんの園芸種が作られてきました。シクラメンの原種とされているのは、シクラメン・ペルシカムで、現在販売されているシクラメンは様々な品種がありますが、そのほとんどがシクラメン・ペルシカムを園芸品種として改良したものです。
シクラメン・ペルシカムは、もともと霜が降りない地域に自生している植物なので、寒さに弱いという特徴があります。シクラメン・ペルシカムの生育適温は10~20℃なので寒さにも暑さにも弱く、日本の真冬と真夏の気候は苦手です。そのため、原種のシクラメンは温度管理がしやすい室内栽培が基本になります。
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一方、ガーデンシクラメンは原種のシクラメンよりは耐寒性が高いので、屋外で栽培することができるという違いがあります。ただし、ガーデンシクラメンの原種であるシクラメン・ペルシカムは無霜地帯に自生する植物なので、ガーデンシクラメンも冬場に霜が降りる寒い地域では、屋外栽培をしない方が無難です。
ガーデンシクラメンの耐寒温度は、-5℃程度まで大丈夫と言われていますが、5℃を下回ると株が弱ってしまいます。霜に当たって凍結すると、細胞が壊れて球根が腐ってしまうので、鉢植えの場合は軒下などの霜が当たらない場所へ移動すると良いでしょう。
原種のシクラメンとガーデンシクラメンに共通して言えることは、どちらも日当たりの良い場所を好むということです。特に原種のシクラメンは室内で栽培することが多く、光量不足になりがちなので注意が必要です。
シクラメンを日当たりの悪い場所に置いてしまうと、葉が黄色くなって枯れてしまいます。黄色くなった葉をそのままにすると、そこからカビが発生することがあるので、枯れた葉が付いてる茎の付け根から摘み取っておきましょう。
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ガーデンシクラメンとミニシクラメンは混同しがち
ガーデンシクラメンは、シクラメン・ペルシカムを原種として、オランダで改良されたF1ミニメイトという品種が元になっています。これを日本の生産者さんが、耐寒性が高く連続開花性のあるものにしていき、1996年にガーデンシクラメンという名前で出荷したのが始まりです。
F1ミニメイトはミニシクラメンの一種で、他にもミニ系統のシクラメンの品種はたくさんあります。そのため、見た目が小さいシクラメンだからといって、必ずしもガーデンシクラメンというわけではないのです。ミニシクラメンをガーデンシクラメンと間違えて、屋外で地植えしてしまうと、耐寒性の低いミニシクラメンは冬場に枯れてしまうので注意が必要です。
シクラメンは、非常にたくさんの品種があるので、見た目だけでガーデンシクラメンとミニシクラメンの違いを見分けることは困難です。購入する際には、ラベルを見たり店員さんに聞くなどして、事前に確認するようにしましょう。
ガーデンシクラメン
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