多肉植物の「乙女心」「虹の玉」「オーロラ」は、全てベンケイソウ科マンネングサ属(セダム属)に分類される近縁種で、それぞれの見た目が非常に似ています。今回は、これらの植物の違いと見分け方について紹介します。
「乙女心」「虹の玉」「オーロラ」の違いと見分け方
乙女心は原種
乙女心はメキシコ南部の高地に自生する草丈10~30㎝程度の多肉植物です。高地に自生する植物なので、高温多湿にやや弱い傾向があります。
学名は「Sedum pachyphyllum」で、和名は「厚葉弁慶(アツバベンケイ)」ですが、流通名の「乙女心(オトメゴコロ)」の方が一般的に定着しています。
乙女心は、まるでお菓子のジェリービーンズのような肉厚の葉が特徴で、緑の葉の先端部分がほんのり赤くなり、秋には葉の全体的に赤く染まっていきます。
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虹の玉は乙女心のように大きくならない
虹の玉(Sedum rubrotinctum)は、乙女心(Sedum pachyphyllum)と玉葉(Sedum stahlii)の交雑種と言われていて、原種である乙女心の性質を色濃く受け継いでいるので、虹の玉と乙女心の見た目はほとんど変わりません。
ただし、原種の乙女心は大きくなると草丈30㎝程度まで成長しますが、虹の玉は草丈15㎝程度までしか大きくならないという違いがあります。
虹の玉は、1950年代に渡来して以来、日本では長く愛されてきた多肉植物です。虹の玉は、高地育ちの原種の性質を受け継いでいるので、高温多湿にやや弱い傾向はありますが、寒さには強いので冬場は霜が降りない軒下などで越冬できます。
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オーロラは虹の玉の斑入り品種
オーロラは、虹の玉の斑入り品種なので、見た目が違います。乙女心や虹の玉との見分け方は、オーロラは斑入りであることと、葉の色が比較的薄いという点です。乙女心や虹の玉は、紅葉すると真っ赤に染まりますが、オーロラは比較的色が薄く、赤紫色に紅葉します。
オーロラの学名は「Sedum rubrotinctum ‘Aurora’」で、略してオーロラ(’Aurora’)と呼ばれることが多いです。オーロラは別名「宇宙錦」と呼ばれることがあるようですが、乙女心ほど定着していない気がします。
セダム類に限らず多くの植物に共通して言えることは、斑入りの植物は耐暑性・耐寒性に劣るということです。オーロラも乙女心や虹の玉と比べて環境の変化に弱い傾向があります。
また、オーロラは先祖返りをして斑が無くなってしまうことがよくあります。オーロラに斑の無い葉が生えてきたら、そのままにしておくと、あっとゆう間に先祖返りをしてしまうので、オーロラの斑の無い葉は取り除いておきましょう。
オーロラは虹の玉と同様に葉挿しで増やすことができますが、オーロラを葉挿しで増やすと、先祖返りをして斑が無くなってしまうことがあるので、葉挿しではなく挿し木で増やす方が無難です。
乙女心
虹の玉
オーロラ
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