コーヒーの木の葉は、光沢のある濃い緑色をしているのが特徴です。ところが、コーヒーの木を育てているうちに、だんだん葉の色が薄くなってくる。または、新しい葉の色が薄い黄緑色になるということがあります。
今回は、コーヒーの木の葉の色が薄い時に考えられる原因について紹介します。
コーヒーの木の葉の色が薄い原因
コーヒーの木に限らず、植物の緑色の元になっているのは、緑色の色素の「葉緑素(クロロフィル)」です。
葉緑素は光合成を行うために必要なもので、これによって日光を利用して生体に必要な有機物質を作り出しています。その過程で水が分解されて酸素が放出されています。
葉緑素は緑色の色素なので、この葉緑素が弱っていることが原因で、コーヒーの木の葉の色が薄いと考えられます。
葉緑素は、酵素によって活発化し、緑色になります。この酵素には主に2種類があり、光が当たらないと葉緑素を緑色にすることができない酵素(光依存型プロトクロロフィリド還元酵素)と、暗い場所でも緑化できる酵素(暗所作動型プロトクロロフィリド還元酵素)があります。これらの酵素は植物の種類に異なります。
ですから、コーヒーの木の葉の色が薄いからといって、日照不足が原因だとは言い切れないのです。むしろ、葉緑素を緑色にするための酵素が不足していることの方が原因として有力です。酵素を補うための肥料の問題や、栄養を吸い上げる根の状態に問題があると考えられます。
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コーヒーの木の根詰まり・根腐れをチェック
コーヒーの木の葉の色が薄い原因は、様々なことが考えられますが、真っ先に挙げられる原因は、根詰まりです。
コーヒーの木は、観葉植物としてコンパクトサイズで育てることが多いですが、大きくなると2~5mにも成長する高木です。そのため、小さな鉢で長期間育っていると根詰まりを引き起こします。
すると、根詰まりが原因で、十分な栄養を吸収できずに、葉緑素を緑色にする酵素の働きが弱まり、その結果、コーヒーの木の葉の色が薄いと感じるようになるわけです。
コーヒーの木の植え替えの時期は4~6月がベストです。1年に1回の頻度で、コーヒーの木の成長に合わせて一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
また、コーヒーの木に水を与え過ぎると、土が蒸れて根腐れを引き起こすことがあります。この場合も、十分な栄養を根から吸い上げることができないので、コーヒーの木の葉の色が薄い原因に黄緑色になる原因になります。
水やりは、生育期の5~8月はたっぷりと与えます。成長が滞る冬の時期は、根腐れを防ぐために、水やりは土の表面が乾いたら与える程度で十分です。肥料は、生育期に液肥を与えると、どんどん成長します。
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コーヒーの木は強い日差しが苦手
コーヒーの木の葉の色が薄いからといって、急に屋外で育てようとするのはNGです。コーヒーの木を強い日差しに当てると葉焼けしてしまいます。
コーヒーの木は、赤道を中心に南北25度の幅で地球を一周する「コーヒーベルト」と呼ばれる地域で栽培が盛んです。
赤道の近くなので、コーヒーの木は強い日差しでも大丈夫だと思われがちですが、実は、コーヒーの木は比較的涼しい高地で栽培されていることが多いのです。日本で流通の多いコーヒーの木の品種は、アラビカ種です。アラビカ種の原産地はエチオピア南西部の高地です。
コーヒーの木は日差しを好む植物ですが、強い直射日光は苦手です。夏は屋外で育てると葉が焼けてしますので、遮光ネットなどで日除けするか、明るい日陰の室内で育てると良いでしょう。
コーヒーの木
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