ウツボカズラにはたくさんの種類があり、捕虫袋の大きさも2㎝~50㎝と様々です。一般的な園芸店で流通の多いネペンテス・アラタ(Nepenthes alata)の捕虫袋でも、大きなもので長さ15㎝くらいまで成長します。
ウツボカズラの捕虫袋を大きくするには、基本的な栽培方法以外にも、ちょっとしたコツがあります。また、ウツボカズラには高地性と低地性のものがあり、それぞれの生育適温が異なるため、事前に知っておく必要があります。
ウツボカズラの袋を大きくするには?
ウツボカズラの捕虫袋を大きくするには、光量や水、適した温湿度など、ウツボカズラが成長するための基本的な要素が必要ですが、それ以外にも重要なことがあります。それは、ウツボカズラの捕虫袋を安定させることです。
ウツボカズラは、大き過ぎる捕虫袋を付けても袋が落ちてしまうので、蔓で支えられる大きさの捕虫袋しか付けません。ウツボカズラは鉢を吊るして栽培することが多いですが、これでは捕虫袋が細い蔓にぶら下がった状態なので、大きな捕虫袋を付けにくいです。
ウツボカズラの捕虫袋を大きくするには、捕虫袋を下が鉢や用土に触れて安定している状態を作ったり、蔓が支柱などに巻き付いて安定して状態を作ってあげると、捕虫袋が大きくなりやすい。成長途中のウツボカズラの蔓が周りのものに巻き付くように伸びていくのは、その後に出来てくる捕虫袋を安定させるためです。
ウツボカズラの蔓に小さな捕虫袋ができ始めた頃に、捕虫袋の下から支えられる台座のようなものを用意してあげると、ウツボカズラは安心して捕虫袋を大きくさせていきます。
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ウツボカズラは高地性と低地性で温度管理が違う
ウツボカズラは寒さに弱い性質があるので、気温が下がると成長を止めてしまい、そのまま寒さが続くと枯れることもあります。ウツボカズラの捕虫袋を大きくするには、温度管理が重要になるのですが、ウツボカズラの種類によって適した温度が異なります。
ウツボカズラの種類は大きく分けて「高地性」と「低地性」があります。ネペンテス・ベントリコサ(N. ventricosa)などの高地性ウツボカズラは、真夏の暑さや用土の蒸れを嫌い、冷涼多湿の環境を好みます。そのため、適度に涼しくならないと捕虫袋を付けにくいです。高地性ウツボカズラは、20~25℃程度のやや涼しい気候が生育適温になります。
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ネペンテス・アラタ(Nepenthes alata)などの低地性ウツボカズラは、20~30℃程度が生育適温になります。ネペンテス・アラタは、標高0~2500mに自生する植物なので、低地性ウツボカズラの中でも耐寒性がある方です。
気温が15℃を下回るとネペンテス・アラタの成長が鈍くなってきて、5℃以下の環境では枯れることもあります。高地性のネペンテス・ベントリコサは比較的耐寒性があるので、成長が止まってしまっても気温0℃くらいまで耐えられますが、綺麗な状態を保つためには15℃以上は必要です。
高地性と低地性ともに、空中湿度が低いと捕虫袋が付きにくくなるので、葉水を行って湿度を保つ必要があります。空中湿度70%以上が理想です。気温が下がって乾燥する冬の時期でも、ウツボカズラの捕虫袋を大きくしたい場合は、温室栽培をする必要があります。
ウツボカズラ
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