ユーフォルビアの中には、多肉質で棘がある品種が存在し、見た目がサボテンと非常に似ているものがあります。今回は、多肉ユーフォルビアとサボテンの違いについて解説していきます。
ユーフォルビアの特徴
ユーフォルビア科(和名:トウダイグサ科)に分類される植物は、世界で約2000種以上もあり、その中でも多肉植物として分類されているものは500~1000種程度と言われています。
ユーフォルビアの種類は、非常に豊富で形状も様々です。ですから、全てのユーフォルビアがサボテンに似ているわけではありません。ユーフォルビアの中でも、砂漠に自生し葉が退化して茎が多肉質になった一部の種類だけが、サボテンと見た目が似ています。
たとえば、赤と緑のクリスマスカラーで人気のあるポインセチアもユーフォルビア科に属する植物ですが、見た目はサボテンと全く違います。
日本で流通している多肉ユーフォルビアは、アフリカ大陸、中東、マダガスカルなど、高温で乾燥した地域に自生している種類のものが多いです。ですから、多肉ユーフォルビアは寒さと湿気に弱い傾向があります。
ユーフォルビアの白い樹液には、インゲノールエステルやホルボールエステルなどの有毒物質が含まれているので、皮膚に付着するとかぶれることがあります。樹液が付着した場合は、樹液が乾くと水だけでは落ちにくいので、石鹸を使って洗い落としましょう。
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サボテンの特徴
サボテンとはサボテン科の植物の総称で、中央アメリカと北アメリカを中心に2000種以上のサボテンが存在すると言われています。
サボテンは大きく分類すると多肉植物の仲間です。多肉植物という大きな分類の中に、サボテンという分類があるという認識で良いと思います。
サボテンには葉が変化してできた棘があり、その棘は刺座(しざ)と呼ばれる器官から密生しています。サボテンの刺座は枝が変化したものだと考えられており、その部分は毛で覆われています。そこに葉が変化したと考えられている棘が、密集して生えているのがサボテンの特徴です。
サボテンは乾燥地に自生する種が多く、高温で乾燥した気候を好む傾向があります。ただし、中には温暖な気候や高山などに自生する種もあるので、寒さに弱いものや氷点下でも生きられるものなど様々です。
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多肉ユーフォルビアとサボテンの違いと見分け方
多肉ユーフォルビアとサボテンは、分類学上全く異なる植物でありながら、同じような環境を生き抜いたことで、似たような進化をとげた植物です。このような進化を収斂進化(しゅうれんしんか)と言います。
多肉ユーフォルビアとサボテンは、見た目は非常に似ていますが、もともとは別の植物なので、進化の仕方に微妙な違いがあります。その違いが見た目で分かるのがサボテンの刺座です。
多肉ユーフォルビアの中には棘がある品種もありますが、多肉ユーフォルビアの棘の根元には、毛で覆われた刺座がありません。ですから、棘の根元に毛があるのがサボテンで、毛がないのが多肉ユーフォルビアという見分け方ができます。
植物の栽培環境は、品種によって異なりますが、多肉ユーフォルビアよりもサボテンの方が寒さに強い傾向があります。また、成長速度が多肉ユーフォルビアよりもサボテンの方が遅いという違いもあるので、小さく育てたいという方はサボテンの方がおすすめです。
ユーフォルビア「オベサ」
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