ビカクシダ(コウモリラン)の原種とされる種類は全部で18種あると言われており、それらは、「東南アジア」「オセアニア」「アフリカ・マダガスカル」「南アメリカ」の4つの熱帯地域に分布しています。
ビカクシダの耐寒性は、自生している地域によって異なるので、まずは18種類の原種の特徴を確認してから、ビカクシダの寒さに強い種類を紹介していきます。
ビカクシダの原種は18種
ビカクシダの原種の分類は諸説あり、原種として扱われるものもあれば、亜種として扱われる種類もあります。たとえば、オセアニア系ビカクシダのウィリンキーはビフルカツムの亜種として分類されることがあります。以下の分類は、それぞれの性質を大まかに把握する目安として使ってください。
東南アジア
グランデ(P. grande)※ P.はPlatyceriumの省略
コロナリウム(P. coronarium)
リドレイ(P. ridleyi)
ホルタミー(P. holttumii)
ワンダエ(P. wandae)
ワリチー(P. wallichii)
東南アジア系のビカクシダは、暑さに強い反面、寒さに弱い傾向があります。それに加えて、多湿にも弱いので、高温多湿な日本の夏を乗り切りるためには、風通しの良い場所で管理する必要があります。耐寒性はあまりないので、冬越しは15℃くらいは必要です。
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オセアニア
ビフルカツム(P. bifurcatum)
ビーチー(P. veitchii)
ウィリンキー(P. willinckii)
スパーバム(P. superbum)
ヒリー(P. hillii)
オセアニア系のビカクシダは、比較的耐寒性があり丈夫なので、園芸品種として流通しているものが多いです。品種によっては、2℃程度まで耐えられるものもありますが、綺麗に育てたいのであれば、10℃以上は必要です。
ウィリンキー(P. willinckii)は、オセアニア系に分類されることが多いですが、インドネシアに自生する種類でもあるので、耐寒性はあまりありません。東南アジア系と同様に冬越しには15℃くらいは必要です。
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アフリカ・マダガスカル
アルシコルネ(P. alcicorne)
エレファントティス(P. elephantotis)
マダガスカリエンセ(P. madagascariense)
ステマリア(P. stemaria)
エリシー(P. ellisii)
クアドリディコトマム(P. quadridichotomum)
アフリカ・マダガスカル系のビカクシダは、比較的日光を好む傾向があります。寒さには非常に弱いので、冬越しは暖かく光の当たる場所で管理する必要があります。健全に育てたいのであれば、15℃以上は維持する必要があります。
南アメリカ
アンディナム(P. andinum)
アンディナム(P. andinum)は南アメリカの高地に自生しているので、暑さと蒸れに弱い傾向があります。寒さには強いので、日本の冬にある程度は対応できます。ただし、綺麗に育てたいのであれば、10℃以上は必要です。
ビカクシダの寒さに強い種類
ビカクシダの寒さに強い種類は、南アメリカ系とオセアニア系のビカクシダになります。ただし、南アメリカ系のビカクシダは流通量が少ないので、現実的に育てるとしたらオセアニア系のビカクシダがおすすめです。
オセアニア系ビカクシダの中でも、特に丈夫なのがビフルカツム(P. bifurcatum)で、これを元に作られたネザーランド(P. netherlands)が寒さに強い強健種として知られています。気温2度の環境でも耐えられると言われていますが、なんとか耐えられるというだけで、無事では済みません。冬に屋外で管理すると葉は黄色く変色して枯れてしまいます。綺麗に育てたいのであれば、10℃以上の室内管理が望ましいです。
ビフルカツム(P. bifurcatum)と非常に似た性質をもった、ビーチー(P. veitchii)やウィリンキー(P. willinckii)も寒さに強い種類なのでおすすめです。ウィリンキーは、ビフルカツムの亜種として分類されることもあります。
ビカクシダ・ネザーランド
ビカクシダ・ビフルカツム
ビカクシダ・ビーチー
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