ビカクシダ(コウモリラン)には、様々な品種がありますが、その中でも丈夫で育てやすいのがビカクシダ・ネザーランドです。今回は、ビカクシダ・ネザーランドの特徴について紹介します。記事の後半では、ビカクシダ・ネザーランドとビカクシダ・ビフルカツムの違いや、見分け方についても解説しているので、合わせてご覧ください。
ビカクシダ・ネザーランドの2つの特徴
ビカクシダ・ネザーランドは、原種のビカクシダ・ビフルカツムを元に品種改良されたものです。ですから、ビカクシダ・ビフルカツム・ネザーランドと表記することもあります。元になっているビフルカツムが耐寒性や耐陰性に優れた品種なので、ネザーランドもその特徴を受け継いで、非常に強健で育てやすい品種になっています。
ビカクシダの栽培は、仕立て方によって様々な株の形にすることができますが、一般的には板付をしたビカクシダの胞子葉が上向きに立ち上がっている姿が良いとされることが多いです。ネザーランドの胞子葉は横幅が広く、胞子葉が上向きに立ち上がった状態をキープしやすいという特徴があります。
ネザーランドは、強健種であることと、胞子葉が上向きに立ち上がりやすいという2つの特徴から、ビカクシダを初めて栽培する初心者の方にもおすすめの品種です。
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ビカクシダ・ネザーランドは乾燥や蒸れにも強い
ビカクシダ初心者の方は、水やりのタイミングが分からなくて失敗してしまうことが多いです。ネザーランドは強健な原種を元に、園芸種として作られたものなので、育てやすく水枯れや根腐れにも強い傾向があります。
ネザーランドの水やり方法は水苔が乾いたら水を与えるのが基本ですが、他の品種と比べて、ネザーランドは水切れの状態にも強いですし、水苔の蒸れからくる根腐れにもなりにくい傾向があります。
ただし、あまりにも長い間、水やりをしていなかったり、水を頻繁に与え過ぎて長い間蒸れた状態が続くと、ネザーランドでも調子を崩すことがあります。特に、株が小さいうちはまだ耐久力が弱いので注意が必要です。
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ビカクシダ・ネザーランドの胞子葉を立ち上がらせるには?
ネザーランドの胞子葉は、上向きに立ち上がりやすいという特徴があるとはいえ、ビカクシダの胞子葉は光に向かって育つ性質があるため、上から光を当ててあげないとネザーランドの胞子葉も立ち上がりません。室内でネザーランドを栽培する際には、上の方からLEDライトを照らして、胞子葉を上向きに育てることが多いです。
暖かい季節であれば、ネザーランドを軒下などで育てることができますが、直射日光を当てると葉焼けの原因になるので遮光が必要です。
ビカクシダは着生植物なので、樹木にくっついて生きています。つまり、木陰で生きている植物なので、直射日光はNGです。特に貯水葉に強い日差しが当たると、簡単に葉焼けしてしまうので注意が必要です。
ネザーランドとビフルカツムの違いや見分け方
すでに述べていますが、ネザーランドは原種のビフルカツムを元に作られた園芸種です。ネザーランドとビフルカツムの見た目は非常によく似ていますが、胞子葉の形が違います。
ネザーランドの胞子葉は、横幅が広く葉先がやや丸いのが特徴です。それと比べてビフルカツムの胞子葉は、横幅が狭く葉先がやや尖っているという違いがあります。
まだ株が小さく胞子葉が大きくなっていない頃には、なかなか見分けることが難しいですが、胞子葉の形の違いがネザーランドとビフルカツムの見分け方のポイントになります。
ビフルカツムの近縁種にビカクシダ・ビーチーもありますが、ビーチーは、胞子葉の横幅が狭く、葉の表面に生える星状毛(トライコーム)の量が多いので、全体的に銀色の産毛に覆われているのが特徴です。ネザーランドやビフルカツムは、星状毛がそれほと多くはないので、見分けるのは簡単です。
ビカクシダ・ネザーランド
ビカクシダ・ビフルカツム
ビカクシダ・ビーチー
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