芝生の水やりと言うと、海外の映画のようにスプリンクラーで頻繁に散水するイメージが強いかもしれません。実は、芝生の種類(西洋芝か日本芝か)によって、必要な水分量や暑さへの耐性は大きく異なります。
しかし、「日本芝なら水やりは不要」というのは誤解です。今回は、美しい芝生を維持するための、正しい水やり頻度について紹介します。
根付いた日本芝(高麗芝)でも「夏場」は水やりが必須
西洋芝と日本芝(高麗芝)では、乾燥への耐性に違いがあります。日本芝は比較的乾燥に強い性質を持っていますが、「基本的に水やり不要・雨のみで育つ」というのは、あくまで「枯れずに生き残る」レベルの話です。
近年の日本の猛暑や少雨の環境下では、根付いた高麗芝であっても水切れを起こします。水が不足すると、芝生は自己防衛のために葉を丸め、やがて茶色く変色して休眠状態に入ってしまいます。
青々とした美しい景観を維持するためには、以下の頻度を目安に水やりを行いましょう。
春・秋:
数日に1回程度、土の表面が乾いたらたっぷりと。雨が定期的に降れば水やり不要な場合もあります。
夏場(7月〜9月):
乾燥に強い高麗芝でも、晴天が続く場合は2〜3日に1回、猛暑日は毎日の水やりが必要です。朝の涼しい時間帯にたっぷりと与えてください。
【重要】張りたての芝生は「毎日」水やりが必要
根付いた芝生はある程度乾燥に耐えますが、張ったばかりの芝生(張り芝)は全く別物です。
芝張りに適した3月~6月頃は、気温が上がり乾燥しやすい時期でもあります。切り出された芝生は根が切断されており、自力で土から水を吸う力がほとんどありません。
水やり頻度:
芝張り直後から最低でも2週間〜1ヶ月間は、「毎日」欠かさず水やりをしてください。
水やりの量:
芝の目地から水が溢れ出るくらい、また芝生の下の土までずぶ濡れになるくらい「たっぷりと」与えます。
根付くまでの期間:
完全に根付く(活着する)までには、およそ1ヶ月程度かかります。1週間程度ではまだ根が浅いため、油断せずに水やりを続けましょう。この時期の水切れは、芝生が縮んでしまう致命的な原因になります。
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西洋芝の水やり頻度
西洋芝(ベントグラス、ブルーグラス、ライグラスなど)は、本来涼しい気候を好むため、日本の高温多湿な環境や乾燥に対して非常にデリケートです。日本芝に比べて根が浅い品種も多く、こまめな水やりが欠かせません。
芝生は水不足になると、葉が細くなり丸まってきて、葉の色が黒ずんできます(紫褐色)。これが「水切れサイン」ですので、見逃さないようにしましょう。
春・秋(3月〜6月、10月〜11月):
芝生の様子を見ながら、2〜3日に1回程度のペースで水やりを行います。常に土壌に適度な湿り気がある状態を保つのが理想です。
梅雨明け〜夏場(7月〜9月):
西洋芝にとって日本の夏は過酷です。水切れは即座に枯死につながるため、毎日(猛暑日は朝と夕方の2回)の水やりが必要です。また、日中の暑い時間に水をやるとお湯になって根を傷めるため、必ず早朝か夕方に行いましょう。
冬場:
西洋芝には冬も緑を保つ「寒地型」の品種が多くあります。乾燥している日が続いたら、週に1回程度、午前中に水やりを行ってください。
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まとめ
日本芝(高麗芝):
乾燥に強いが、美観を保つなら夏場の水やりは必須。張り芝直後は「毎日」たっぷりと。
西洋芝:
乾燥に弱く、一年を通してこまめな水やりが必要。特に夏場の管理が重要。
日本芝は西洋芝に比べて管理が楽と言われていますが、それでも植物ですので水は必要です。それぞれの芝生の性質を理解し、適切な水やりを行うことで、一年を通して美しい芝生の庭を楽しむことができます。
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