ゴムの木の葉が1枚だけ黄色くなって落葉したくらいでは、そこまで心配ではありませんが、ゴムの木全体の葉が黄色くなる、または葉が斑点状に変色するなど不自然な変化がある場合は、成長を妨げる何らかの原因が考えられます。
なぜ植物の葉は黄色くなるのか?
ゴムの木の葉が黄色くなる時は、何らかの原因で葉に含まれる葉緑体が死滅しているためです。
植物の葉には葉緑体と呼ばれる器官があり、そこに含まれる葉緑素という成分が緑色をしているため、植物の葉は緑色をしています。つまり、ゴムの木の葉が黄色くなるのは、葉緑体が死滅して緑色の成分である葉緑素が失われたためです。
葉緑体は太陽光のエネルギーをもとに、二酸化炭素と水を合成して、植物の成長に必要な炭水化物と酵素を作り出します。これを光合成と言います。黄色の葉では光合成ができない状態なので、ゴムの木の成長を妨げる何らかの原因が考えられます。
Sponsored Links
ゴムの木の葉が黄色くなる原因
水の与え方で葉が黄色くなる
植物の成長には、水が必要不可欠です。当然ですが、水切れを起こすとやがては枯れてしまいます。特に地面に直植えされたゴムの木の場合は、天候の影響があるので、連日雨が降らない乾燥する季節には、天候に頼らずに水やりをすることが大切です。
それとは反対に水を与え過ぎることが原因で根腐れを起こし、ゴムの木の葉が黄色くなることもあります。根腐れは鉢植えのゴムの木に起こりやすいので、適度な量の水やりを心掛けましょう。
肥料の与え方で葉が黄色くなる
肥料は与え過ぎても与えなさ過ぎても葉が黄色く変色する原因になります。植物に使用する肥料は、窒素、リン酸、カリの3つの成分が主流です。中でも窒素は植物の葉を育てるために重要な肥料で、これが不足することが原因で葉緑素が増えずに葉が黄色くなるということがあります。
それとは反対に肥料を与え過ぎても葉が黄色くなることもあります。ゴムの木は、4月~9月の暖かい季節に成長し、10月~3月の寒い季節には休眠状態になります。特に休眠時期のゴムの木に肥料を与え過ぎると具合を悪くする原因になるので注意が必要です。
Sponsored Links
病害虫によって葉が黄色くなる
ハダニなどの害虫が葉の裏側から葉の汁を吸うことによって、栄養分が失われてゴムの木の葉が黄色くなることがあります。ハダニの体長0.3mm~0.5mmほどで、肉眼で見えるか見ないかくらいの小さな虫です。
ソファーやベッドなどに潜む、いわゆる家ダニは、湿気を好みますが、ハダニは家ダニとは違い湿気を嫌います。ですから、葉の裏に霧吹きをしてあげるだけでも、ハダニ発生の予防になります。
また、黒星病などの病気が原因でゴムの木の葉が黄色くなる場合もあります。
病害虫による葉の変色は、葉の一部分だけ黄色くなったり、斑点状に黄色くなるなど、不自然に変色することが特徴です。このような場合は専用の殺虫/殺菌剤を使用して対処すると良いでしょう。
根詰まりによって葉が黄色くなる
鉢植えのゴムの木をショップで購入した後に何年も植え替えをしていないと、成長した根が小さな鉢の中で行き場を失い、根詰まりを起こすことがあります。
根詰まりを起こすと、土壌から十分に栄養を得ることができずに、葉が黄色くなってしまうことがあります。そのような場合は一回り大きな鉢に植え替えすると良いでしょう。大抵は、その後2、3年ほど経つと、再び鉢の中で根がいっぱいになります。
土壌pHによって葉が黄色くなる
ゴムの木に限らず、一般的な植物に適した土壌pHは中性から弱酸性が適しています。たとえば、土壌に石灰を多く使用するとアルカリ性になりやすいので、それが原因で植物に不具合が起こり葉が黄色くなるということがあります。
鉢植えのゴムの木に石灰を大量に使うということはあまりないと思うので、地面に直接ゴムの木を植えた場合に考えられる原因の1つです。
環境の変化で葉が黄色くなる
本来、ゴムの木は熱帯から温帯地域に自生する植物です。ですから、暖かい気候を好む観葉植物ですが、強い日差しを直接当たり続けると葉焼けの原因になると注意が必要です。
ゴムの木は、寒さにもある程度までは耐えられますが、気温が5℃を下回ると葉が黄色くなる原因になります。
また、気温が15℃を下回ると成長の妨げになるので、鉢植えのゴムの木を室外で育っている場合は、15℃を下回るようでしたら室内に取り込んであげると良いでしょう。
その他にも環境の変化が原因でゴムの木の葉が黄色くなることもあります。たとえば、ショップでの温室で育てていたゴムの木を、購入後に自宅の寒い場所で育ててしまうと環境の変化に対応できずに葉が黄色くなってしまうこともあります。
フィカス・エラスティカ(ゴムの木)
Sponsored Links