「アラカシ(粗樫)」と「シラカシ(白樫)」は、どちらもブナ科コナラ属に分類される常緑高木です。日本に自生する植物なので、何度か目にする機会があると思います。いずれもカシの木の仲間なので、見た目が非常に似ています。今回は、アラカシとシラカシの違いや、どんぐりができない時の理由について紹介します。
アラカシとシラカシの違いや見分け方
葉の違い
アラカシとシラカシの葉は、どちらも楕円形をしていますが、アラカシの葉よりもシラカシの葉の方が細長いという違いがあります。
シラカシの葉の縁には、ギザギザとした「鋸歯(きょし)」が全体的にありますが、アラカシの葉の縁には、葉の中央から先端の方のみギザギザした鋸歯があります。シラカシの鋸歯は緩やかで優しい印象を受けますが、アラカシの鋸歯は尖っていて鋭い印象を受けます。これがアラカシとシラカシの見分け方のポイントになります。
アラカシの葉の裏側には細かい毛が生えているので、白っぽく見えます。シラカシの葉の裏側には毛が生えていません。
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幹の違い
シラカシの幹の樹皮には、白っぽい縦筋が入っています。アラカシの樹皮には目立った縦筋はありません。
どんぐりの違い
アラカシとシラカシのどんぐりには、「殻斗(かくと)」と呼ばれるどんぐりの帽子のようなものを被っています。アラカシよりもシラカシの方が殻斗を深く被っているという違いがあります。
どんぐりの尖った先端の部分は、アラカシよりもシラカシの方が少し長く、シラカシの尖った先端の部分には段差があり、くびれているのが特徴です。
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どんぐりができない理由
アラカシとシラカシは、どちらも雌雄同株、雌雄異花の植物です。つまり、1本の木に雌の花と雄の花があり、雄花の花粉が雌花に受粉することで、結実してどんぐりができるわけです。
アラカシとシラカシは成長が早い植物で、十分に成長した株は1年でどんぐりができるのですが、開花や結実よりも葉や幹の成長を優先している場合は、どんぐりができないことがあります。
雄花は、新しい枝の下部から垂れ下がるように咲きます。雌花は、新しい枝の上部の咲きます。雄花は大きくて目立つので、すぐ分かると思いますが、雌花は小さくて気付きにくいです。まだ株が小さいうちは、雄花しか咲かずに、どんぐりがができないことがあります。
アラカシ
シラカシ
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