リトープスは脱皮をするユニークな多肉植物ですが、脱皮中の水やりが原因で失敗してしまうことがとても多いです。脱皮中のリトープスは古い葉がしわしわになっていくので、どうして可哀そうになって水をあげたくなりますが、ここは我慢の時です。
そもそも脱皮のメカニズムを知っていれば、水やりが必要ないことが理解できると思うので、まずはリトープスがなぜ脱皮するのかということから確認していきましょう。
リトープスはなぜ脱皮するのか?
被子植物を大きく分けると、葉っぱが1枚ずつ生えてくる「単子葉植物(たんしようしょくぶつ)」と、葉っぱが2枚ずつ生えてくる「双子葉植物(そうしようしょくぶつ)」に分類できます。
リトープスは双子葉植物なので、植物本体が一塊のように見えますが、実は2枚の葉がくっついてできています。リトープスの内部で成長した新芽が、2枚の古い葉の間から生えてくるので、まるで脱皮したかのように見るのです。
通常の双子葉植物は、新芽が出ても古い葉は残りますが、リトープスの場合は、新芽の成長のために古い葉に含まれる水分と養分を使ってしまうので、脱皮後は古い葉がしぼんで枯れていきます。
リトープスの脱皮は新しい葉が2枚ずつ生えてくることが多いですが、生育の良いリトープスは新芽が多く、4枚の新しい葉が生えてくることもあります。それとは反対に生育が悪いリトープスは、脱皮することで一回り小さくなることもあります。
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リトープスの脱皮失敗は水やりが主な原因
リトープスの脱皮は、古い葉の水分と養分を新しい葉の成長に使うことで、古い葉が徐々に薄くなり、自然に剥けていくのが理想です。
ところが、古い葉がいつまで経っても肉厚のままで、なかなか脱皮できないということがよくあります。その主な原因は水の与え過ぎです。
リトープスの脱皮の時期は、水やりを控えめにすることがポイントです。この時期に水を与え過ぎると、古い葉に水分が蓄えられて分厚いままになってしまい脱皮失敗の原因になります。
本来は、リトープスの上部の古い葉の間から、新しい葉が出てくるものですが、脱皮を失敗すると、古い葉の横の方から割れてしまうことがあります。
脱皮中は、古い葉がしわしわになってくるので、どうしても水やりしたくなりますが、ここは我慢の時です。内部から顔を出している新しい葉が元気であれば、水やりをしなくても大丈夫です。
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リトープスが急に溶ける時は?
リトープスは内部にたっぷり水分を含む多肉植物なので、調子が悪くなるとしわしわになって、溶けるように枯れてしまうことがよくあります。
こんな時は、リトープスがある日突然、調子が悪くなって溶けてしまったように思えるかもしれませんが、実は数ヶ月前から悪化していることが多いのです。
リトープスの外側からは分かりにくいですが、秋から春にかけての生育期に、リトープスの内部で新芽が少しずつ大きくなっていきます。
しかし、秋に根腐れや害虫被害など何らかの不調があった場合、リトープスの内部の新芽が育たずに、春の脱皮の時期になって急にリトープスが溶けるように枯れてしまうことがあるのです。この場合は、脱皮失敗以前にリトープスの内部に新芽がなかったことになります。
リトープス
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