スリット鉢は、鉢底から鉢の側面にかけてスリット状の穴が開いている植木鉢で、排水性・通気性に優れているという特徴があります。
特殊な構造の植木鉢なので、初めて使う人の中には「スリット鉢に鉢底石は必要あるのか?」「スリット鉢の穴から土がこぼれるのは大丈夫なのか?」など疑問に思うこともあるようです。今回はスリット鉢の使い方について紹介します。
スリット鉢に鉢底石は必要なのか?
結論から言うと、スリット鉢に鉢底石は必要ありません。そもそも鉢底石を使用する目的は、鉢底の水はけを良くするためです。スリット鉢は、鉢底から鉢の側面にかけてスリット状の穴が開いていて、排水性・通気性に優れた植木鉢なので、鉢底石は不要です。
スリット鉢は、根の成長を促すデザイン設計になっており、通常の鉢よりも植物の根の張りが良いのが特徴です。根の成長には、「水」「養分」「空気(酸素)」の3つ要素が不可欠で、特に空気(酸素)が不足すると、根が窒息状態になり根腐れを引き起こす原因になります。
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通常の鉢で植物を育てると、成長し過ぎて行き場を失った根が、鉢の縁に沿ってぐるぐると巻きながら伸びていく「サークリング現象」が起こります。この状態では、鉢の中心部の土を活用できていません。
スリット鉢で植物を育てると、スリット状の穴から空気(酸素)が鉢の中心部まで入り込むので、株元から新しい根が成長し、サークリング現象を防ぐことができます。
植物の根は空気(酸素)を求めて、スリット状の穴まで伸びていくので、この位置に大粒の鉢底石があると、根の成長を妨げることになってしまいます。
植物の根の状態が良いと、水と養分を吸い上げる量が多くなり、その結果、葉や茎の成長が良くなります。根の良い状態を保つことは、植物の成長にとって非常に重要なことなのです。
スリット鉢の穴から土がこぼれる時はどうする?
スリット鉢に土を入れると、スリット状の穴から粒子の細かい土がこぼれることがあります。そんな時は、土がこぼれないように鉢底石や鉢底ネットを使って、スリット状の穴を塞ぎたくなりがちですが、これらのものもスリット鉢には必要ありません。
スリット鉢から土がこぼれるのは、植物を植えた最初の頃だけです。植物を植え付けてからしばらく経つと、根がスリット状の穴に向かって伸びていくので、根が土をしっかりと絡み取って土がこぼれにくくなります。
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順調に根が成長していけば、スリット状の穴の付近は、植物の根でいっぱいになるので、鉢底石や鉢底ネットは必要ありません。
スリット鉢は、鉢の側面にスリット状の穴を開けることで、通気性に優れた植木鉢です。鉢の中央部まで空気が入り込むことによって、用土の大部分を有効利用できるという特徴を持っています。ですから、根の張りを妨げる資材は使わない方が望ましい。
スリット鉢
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