スミレは、水切れや根腐れなど栽培上の原因ではなく、もともとの性質が理由でスミレの花が咲かないことがあります。スミレには、一株に花が咲く蕾と花が咲かない蕾が存在するのです。それに加えて、スミレの花が咲く時期についても確認していきましょう。
スミレの花が咲かない原因
スミレの花は「解放花」と「閉鎖花」の2種類
スミレの花は、同じ株に「解放花」と「閉鎖花」の2種類が存在します。解放花は花びらが開く通常の花です。閉鎖花は蕾のままで花が咲かない、ちょっと変わった花です。
それでは、なぜスミレには咲かない花(閉鎖花)が存在するのでしょうか。閉鎖花の蕾の中には雄しべと雌しべがあり、確実に受粉し種子を作るためです。
一方、解放花は、他の花からの受粉が可能なので、遺伝子の多様性に優れています。スミレも生き残りをかけて、他の遺伝子を取り込んで対応しているというわけです。
スミレの解放花は、昆虫などを利用して受粉するので、虫が活発になる春から初夏にかけての暖かい季節に花を咲かせます。スミレの品種によっては秋頃に咲き始める種類もあります。
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花が咲かない閉鎖花は、受粉に昆虫の助けを必要としないため、虫が少ない秋頃でも結実することができます。通常は植物の花は受粉しやすいように茎の上の方で開花することが多いですが、スミレの閉鎖花は自ら受粉することができるので、茎の下の方にできる傾向があります。
ただし、スミレの解放花と閉鎖花については、まだまだはっきりと分かっていないことが多く、どのような要因で解放花になるか、もしくは閉鎖花になるのかは未だ解明されていません。
スミレの花は暑さに弱い
一口にスミレと言っても様々な種類があり、その品種によって適した環境があります。明るい場所に生えるスミレや、半日陰または日陰を好むスミレなどいろいろです。
ですから、スミレの種類によっていろいろな場所を試してみて、よく育つ元気に花を咲かせるというところを見付けていくと、より自然に育つと思います。
一般的には、スミレは春先から初夏にかけて花を咲かせ、暑い夏場には花が咲かない植物です。中には秋頃に花を咲かせるスミレの種類もありますが、大抵は春先に開花して梅雨時には花が落ちてしまいます。
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ただし、もともとスミレは日本に自生している植物なので、環境さえ適していれば、元気に開花し種がこぼれてどんどん増えてくれることがあります。
水切れさえ注意してあげれば、スミレは肥料もあまり必要とせずにすくすくと育ってくれます。
スミレ
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