プリムラの種類の中で人気を二分するのが「プリムラ・ジュリアン」と「プリムラ・ポリアンサ」です。プリムラの苗が出回る冬の時期には、園芸店に行くとジュリアンとポリアンサが一緒に並んで販売されていることも少なくありません。
しかし、ジュリアンとポリアンサは見た目が非常に似ているので、どちらを選べば良いのか迷ってしまうことがあります。今回は、ジュリアンとポリアンサの違いについて紹介します。記事の後半では、暑さに弱いプリムラの夏越し方法についても解説していますので、合わせてご覧ください。
「プリムラ・ジュリアン」と「プリムラ・ポリアンサ」の違い
結論から言うと、ポリアンサに小型品種を交配させてできたのがジュリアンなので、ポリアンサよりもジュリアンの方が花や株が小さいという違いがあります。
プリムラ・ポリアンサは、原種のプリムラ・ブルガリス(P. vulgaris)やプリムラ・エラチオール(P. elatior)やプリムラ・べリス(P. veris)などが交雑されてできた品種群のことを言います。ですから、一口にプリムラ・ポリアンサと言ってもいろいろなものがあります。
その中でも、20世紀半ば頃にアメリカで作られたパシフィック・ジャイアントという品種が、大輪品種として人気がでたため、ポリアンサは比較的大きな花が咲くという印象が強くなりました。
そのポリアンサに小型品種であるプリムラ・ジュリエ(P. juliae)を交配させて、日本で作られたのがジュリアンです。つまり、ジュリアンもプリムラ・ポリアンサという品種群のうちの1つということになります。ですから、見た目が非常に似ているわけです。
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原種のジュリエの特徴を受け継いで、ジュリアンも花や株が小さいのが特徴です。元になった原種のジュリエの花は赤紫色なので、昔はジュリアンの花も赤紫色のものが主流でしたが、今では品種改良が進んで黄色や紫色など様々な花を咲かせるジュリアンが存在します。
本来、ジュリアンという名前は開発した会社が付けた商品名でした。ところが、いつしか別の品種群のようにプリムラ・ジュリアンと呼ぶようになり、今では、通常のポリアンサと、花の小さなジュリアンというように区別するようになりました。
園芸店に並んでいる小さな苗では、ジュリアンとポリアンサの違いを見分けることは難しいかもしれませんが、育てていくとポリアンサよりもジュリアンの方が、花や株が小さいということを覚えておきましょう。
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「プリムラ・ジュリアン」と「プリムラ・ポリアンサ」の夏越し方法
ポリアンサは、ヨーロッパ原産の複数の原種を交雑したもので、それにコーカサス地方原産の小型種を交配したのがジュリアンです。プリムラ・ジュリアンとプリムラ・ポリアンサは、同じ原種を元に作られたものなので、それぞれの性質が似ています。
ジュリアンとポリアンサは、本来は多年草なのですが、暑さに非常に弱いため、日本では一年草扱いになっています。花が終わる5月頃になると、徐々に葉が黄色くなり枯れてきて、夏が近づくにつれて、高温多湿に耐えられずに枯れてしまうことが多いです。
しかし、上手に扱えば夏越しができないわけではありません。プリムラは暑さに弱い植物ですが、太陽の光は好む傾向があります。高温多湿な夏の時期以外は、日当たりの良い場所で管理することが基本ですが、夏場は風通しの良い軒下など、半日陰の環境で管理すると夏越しが成功しやすいです。
プリムラの夏越しは移動しやすい鉢植えの方が成功しやすいのですが、プリムラを地植えする場合は、夏場だけ日陰になる落葉樹の株元に植え付けると良いでしょう。
また、プリムラは多湿にも弱いので、開花中は花の中に水が溜まらないように、株元に水やりをするようにしましょう。プリムラの新芽は株元から出るので、深植えをすると地熱で蒸れてしまいます。ですから、プリムラの苗を浅く植えることも夏越しを成功させるポイントになります。
プリムラ・ジュリアン
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