食虫植物をコバエ対策として育てようと考えている方は、少なからずいらっしゃると思います。ハエを捕える食虫植物と言えばハエトリソウですが、実際に育ててみると思ってたよりも捕虫しないものです。
コバエを捕まえやすいのは、葉の表面がネバネバしているムシトリスミレや、モウセンゴケなどがおすすめです。モウセンゴケは屋外で育てることが多いので、今回は、屋内でも育てられるムシトリスミレのコバエ対策について紹介します。
ムシトリスミレのネバネバがなくコバエが取れない
ムシトリスミレの葉の表面には、細かい腺毛が無数に生えていて、その腺毛の先端からネバネバした粘液を分泌しています。この粘液にコバエなどの虫が触れると、粘りついて動けなくなり、粘液に含まれる消化液によって消化・吸収されます。
ムシトリスミレの葉のネバネバなく、コバエを捕獲できない時は、株が何らかの原因で弱っていることが考えられます。ムシトリスミレは種類によって育て方が異なるため、まずは種類別の性質を知る必要があります。
ムシトリスミレの種類は、「寒地性」「暖地性」「熱帯高山性」の3つに分けられますが、寒地性のムシトリスミレは、暑さに弱いため日本では栽培が難しい。日本に自生するムシトリスミレも寒地性ですが、天然記念物として保護されています。
ですから、一般的に日本で育てられているムシトリスミレは、P.プリムリフローラなどの北米原産の暖地性ムシトリスミレと、アシナガムシトリスミレやヒメアシナガスミレなどのメキシコ原産の熱帯高山性ムシトリスミレになります。
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メキシコ原産の熱帯高山性ムシトリスミレは夏越しに要注意
P.プリムリフローラなどの北米原産の暖地性ムシトリスミレは、周年生育する丈夫な種類ですが、アシナガムシトリスミレなどのメキシコ原産の熱帯高山性ムシトリスミレは、日本の猛暑で弱ってしまうことがあるので、夏越しには注意が必要です。
暑さに弱い熱帯高山性ムシトリスミレは、猛暑日が続くと乾燥して葉のネバネバがなくなっていきます。これでは、コバエ対策にならないので、夏場は温度管理と水やりが大切です。
熱帯高山性ムシトリスミレは暑さに弱いため、夏は風通しの良い明るい日陰で管理するようにしましょう。水やり方法は腰水で管理するのが基本です。腰水とは、水の入った容器に鉢の3分の1ほど浸して、鉢底から給水する方法です。これによって用土(水苔)が常に湿った状態にしおきます。
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高山性とは言え、熱帯の植物なので、メキシコ原産のムシトリスミレは冬の寒さにもやや弱いです。冬場は気温が5℃を下回らないように管理する必要があります。
メキシコ原産の熱帯高山性ムシトリスミレは、北米原産の暖地性ムシトリスミレよりも花付きが良い品種が多いので、真夏と真冬の温度管理さえ気を付ければ、春にはスミレに似た可愛らしい花をたくさん楽しむことができます。
ムシトリスミレ
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